日常臨床で抗菌薬を使う場面には遭遇しますが、市中感染症においても耐性菌の出現が問題になっています。平成28年6月の伊勢志摩サミットで政府主導の薬剤耐性(AMR: AntiMicrobial Resistance)対策のアクションプランが発表されました。それには抗菌薬使用量調査、感染対策、医療施設・畜水産での抗菌薬適正使用、患者教育、新薬開発、国際協力などの戦略がまとめられています。国の対策が、実際に働く医師に具体的に伝わるのは難しいところもあります。
こども達の将来に使える抗菌薬を残し、耐性菌に打ち勝つためには、病院だけでなく、診療所の協力が不可欠です。浜松市内の病院や診療所では、すでに抗菌薬の適正な使用については取り組まれているところですが、改めて、AMRアクションプランの概要、耐性菌の発生状況、抗微生物薬適正使用の手引き、病院での抗菌薬適正使用の取り組み等を先生方に共有していただきたく、静岡県内の医師、薬剤師、細菌検査技師、静岡県健康福祉部疾病対策課から有志が集まり、平成29年3月に上記チームが結成されました。
県民及び医療従事者に抗菌薬の使い方について情報を届けること、耐性菌で問題が生じた場合の臨床および感染対策のサポート体制を整えることを目的としています。その結果、適切な抗菌薬使用による耐性菌の減少という結果が得られることをゴールと考えています。
現在、静岡県内の郡市医師会を通して、AMR対策の情報共有、講演会開催、抗菌薬サーベイランス、主要細菌のアンチバイオグラム作成などの活動をしています。浜松市においては、浜松市内科医会、浜松市小児科医会に御協力をいただき、会員への通報を通して情報共有を行っています。また、平成29年10月には、抗微生物薬適正使用の手引き 第一版 ダイジェスト版、令和2年4月には同 第二版を浜松市内科医会会員に配布させていただきました。今までに送付しました内容をホームページでも参照できるようにしましたので、ご活用をいただければと思います。
皆様からご質問、ご要望がありましたら、本ホームページ内のお問い合わせまでご連絡をいただければと思います。
*令和2年COVID-19の流行に伴い、COVID-19の情報が含まれています。
第169回 (2024.12) Klebsiella oxytocaによる出血性腸炎
第168回 (2024.11) 誤嚥性肺炎について
第167回 (2024.11) 入院中の発熱
第166回 (2024.10) サルモネラ菌感染症
第165回 (2024.10) 2024年冬季ワクチンについて
第164回 (2024.9) マイコプラズマ肺炎の流行
第163回 (2024.9) 糖尿病と感染症
第162回 (2024.8) 薬剤感受性検査について
第161回 (2024.8) 抗菌薬不足による外来での代替薬
第160回 (2024.7) 食中毒について(1)
第159回 (2024.7) 血液培養ボトル供給制限について
第158回 (2024.7) 新しい微生物同定法
第157回 (2024.6) 髄膜炎菌感染症について
第156回 (2024.6) 同一菌種で異なる薬剤感受性の解釈
第155回 (2024.5) アモキシシリン供給不足:抗菌薬が不足する原因とは
第154回 (2024.5) 発熱と皮疹をきたす疾患の鑑別
第153回 (2024.4) 複数菌感染でしょうか
第152回 (2024.4) 令和6年度診療報酬改定の概要(感染症関連)
第151回 (2024.3) トコジラミ
第150回 (2024.3) バンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin-resistant enterococci: VRE)について 外来で考えること
第149回 (2024.2) 抗微生物薬適正使用の手引き 第3版について
第148回 (2024.2) 静岡県のアンチバイオグラムを利用した経口抗菌薬の選択(成人)
第147回 (2024.1) 静岡県のアンチバイオグラム
第146回 (2024.1) 耐性菌用新規抗菌薬 Cefiderocol(セフィデロコル)
第145回 (2023.12) 多剤耐性真菌 Candida auris(カンジダ・アウリス)について
第144回 (2023.12) 注意したい名称の抗菌薬
第143回 (2023.11) 抗菌薬についての疑義照会
第142回 (2023.11) 皮膚発赤からみる感染症
第141回 (2023.10) 反復する膀胱炎
第140回 (2023.10) 救急外来で職員と職員家族に子宮頸がんワクチンのキャッチアップ接種をしています
第139回 (2023.9) 血液培養の期間
第138回 (2023.9) RSV(respiratory syncytial virus)ワクチンの登場
第137回 (2023.8) 感染性心内膜炎の診断基準の改訂
第136回 (2023.8) 妊婦と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
第135回 (2023.7) 蚊の防ぎ方
第134回 (2023.7) 麻しんの診療について
第133回 (2023.6) 抗菌薬の薬物動態について(後半)
第132回 (2023.6) 抗菌薬の薬物動態について
第131回 (2023.5) ふじのくに感染症管理センターの始動
第130回 (2023.5) 薬剤耐性対策アクションプラン(2023-2027)について
第129回 (2023.4) 水曝露に関する感染症
第128回 (2023.4) 外来で考慮する緑膿菌感染症
第127回 (2023.3) 2022年の静岡県感染症発生状況のまとめ
第126回 (2023.3) 静岡県のアンチバイオグラムを利用した経口抗菌薬の選択(成人)
第125回 (2023.2) 診療所の抗菌薬サーベイランス支援ツールOASCIS
第124回 (2023.2) 続・診療所外来でのCOVID-19陰性の発熱
第123回 (2023.1) 市中感染としてのレジオネラ肺炎
第122回 (2023.1) サル痘(M痘)
第121回 (2022.12) インフルエンザとCOVID-19同時流行を考える
第120回 (2022.12) 外来で使用する感染症迅速検査
第119回 (2022.11) 手掌、足底の皮疹を呈する感染症
第118回 (2022.11) 性感染症による咽頭痛
第117回 (2022.10) カルバペネムがない!!
第116回 (2022.10) 成人の市中肺炎に対するドキシサイクリン
第115回 (2022.9) 外来で使用する経口抗菌薬の服用アドヒアランス
第114回 (2022.9) 静岡県におけるバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)検出状況と対策について
第113回 (2022.8) 診療所外来での COVID-19 陰性の発熱
第112回 (2022.8) 施設紹介⑤ 静岡市立清水病院 検査技師の取り組み
第111回 (2022.7) インバウンド感染症の動向について2022
第110回 (2022.7) 施設紹介④ 静岡県立総合病院薬剤師の取り組み
第109回 (2022.6) 協会けんぽのレセプトデータを基にした静岡県の抗菌薬の使用状況 ―COVID-19流行下での考察―
第108回 (2022.6) 施設紹介③ 静岡県立総合病院 抗菌薬適正使用支援チームの取り組み
第107回 (2022.5) 知っておきたいワクチンの話題2
第106回 (2022.5) 施設紹介② 静岡がんセンター薬剤師の取り組み
第105回 (2022.4) 施設紹介① 静岡がんセンター感染症内科の取り組み
第104回 (2022.4) β-ラクタマーゼ阻害薬の使い方
第103回 (2022.3) COVID-19罹患後のワクチン接種と待機的手術の時期
第102回 (2022.3) 静岡県のアンチバイオグラムを利用した経口抗菌薬の選択(成人)
第101回 (2022.2) 急性憩室炎の外来治療
第100回 (2022.2) 兵庫県における小児の COVID-19 流行状況と小児ワクチン
第99回 (2022.1) 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2) -オミクロン株について-
第98回 (2022.1) 尿路感染症の診断
第97回 (2021.12) COVID-19 の経口治療薬「モルヌピラビル」と「パクスロビド」の効果について
第96回 (2021.12) 夜間救急室での抗菌薬選択(成人)
第95回 (2021.11) 新型コロナウイルス update ②
第94回 (2021.11) 新型コロナウイルス update ①
第93回 (2021.10) 協会けんぽのレセプトデータを基にした静岡県の抗菌薬の使用状況
第92回 (2021.10) 新型コロナワクチン(mRNA ワクチン)と心筋炎
第91回 (2021.9) 筋注用ベンジルペニシリンベンザチン塩の承認
第90回 (2021.9) 成人の RSV 感染症
第89回 (2021.8) マダニ曝露後に予防抗菌薬は必要か?
第88回 (2021.8) 悪性腫瘍と新型コロナウイルスワクチン
第87回 (2021.7) 退院後早期の発熱
第86回 (2021.7) 胆道感染症 3. 肝膿瘍
第85回 (2021.6) 胆道感染症 2. 胆管炎
第84回 (2021.6) 胆道感染症 1. 胆嚢炎
第83回 (2021.5) 一般内科で注意する関節痛:単関節炎
第82回 (2021.5) 発熱を伴うリンパ節腫脹
第81回 (2021.4) 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の発生を受けて
第80回 (2021.4) 予防接種における皮下注射と筋肉注射
第79回 (2021.3) 新型コロナワクチンの効果:大規模データの解析
第78回 (2021.3) 糖尿病合併感染症における注意点
第77回 (2021.2) 静岡県のアンチバイオグラムを利用した感染症診療
第76回 (2021.2) 手指衛生と薬剤耐性菌
第75回 (2021.1) 外来で抗菌薬治療を考慮する腹部症状
第74回 (2021.1) 終末期医療と感染症を考える
第73回 (2020.12) 感染臓器のはっきりしない発熱
第72回 (2020.12) COVID-19 流行下での感染症診療
第71回 (2020.11) 抗菌薬関連下痢症
第70回 (2020.11) 予防接種のタイミング
第69回 (2020.10) 細菌検査の解釈 グラム染色と培養検査の乖離
第68回 (2020.10) 嫌気性菌感染を考えるとき
第67回 (2020.9) 静岡県におけるバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)拡大について
第66回 (2020.8) 知っておきたいワクチンの話題
第65回 (2020.8) 感染症診療中に見られる意識変容
第64回 (2020.7) 個人防護具の選択
第63回 (2020.7) ダニ媒介感染症に注意!
第62回 (2020.6) 14年ぶりの狂犬病発症について
第61回 (2020.6) COVID-19流行下での市中肺炎の治療
第60回 (2020.5) 学校再開後の感染対策
第59回 (2020.4) COVID-19呼吸器以外の症状
第58回 (2020.4) 診療所内のCOVID-19感染について
第57回 (2020.4) 乳児に接種するBCGを守りましょう
第56回 (2020.4) 診療所における新型コロナウイルス感染症への対応
第55回 (2020.3) すごく喉が痛いです!― 隠れた怖い感染症:化膿性血栓性静脈炎(Lemierre症候群) ―
第54回 (2020.3) 小児用の内服用抗菌薬の飲ませ方
第53回 (2020.2) 新型コロナウイルスの流行に際し感染症内科医から伝えたいこと
*2020.2.3 新型コロナウイルス感染症
第52回 (2020.2) インフルエンザではない高熱
第51回 (2020.1) 新型コロナウイルスについて
第50回 (2020.1) 外来での抗菌薬使用の手引き(小児版) 補足
第49回 (2020.1) セファゾリン供給開始:セファゾリンとセファレキシンの使い方
第48回 (2019.12) 薬剤感受性検査で知っておきたいこと
第47回 (2019.12) 外傷に対する抗菌剤投与
第46回 (2019.11) 医療従事者の感染対策
第45回 (2019.11) 薬剤耐性(AMR)ワンヘルスプラットフォームについて
第44回 (2019.10) 知っておきたい成人百日咳のワクチン
第43回 (2019.10) 新しい抗菌薬適正使用の基準
第42回 (2019.9) 外来診療所での血液培養
第41回 (2019.9) 迅速な対応が必要な輸入感染症
第40回 (2019.8) 診療所外来における感染対策
第39回 (2019.8) 大人もかかる夏かぜ
第38回 (2019.7) 成人百日咳の診療について
第37回 (2019.7) 虫よけと感染症
第36回 (2019.6) バンコマイシン耐性腸球菌について
第35回 (2019.5改訂) がん患者さんが感染症で外来にみえたとき
第34回 (2019.5) 抗菌薬投与の重篤な合併症の覚え
第33回 (2019.4) セファゾリンがないけど、どうしましょう
第32回 (2019.4) 市中感染症における薬剤耐性菌への対応
第31回 (2019.3) 口内炎を見た時
第30回 (2019.2) 薬剤耐性(AMR)対策部会設置について
第29回 (2019.2) インフルエンザ後の肺炎
第28回 (2019.1) 微生物検査の結果について
第27回 (2018.12) 百日咳からこども達を守るために
第26回 (2018.12) 国際的感染症 (2)
第25回 (2018.11) 国際的なイベントと感染症 (1)
第24回 (2018.11) 微生物検査の依頼・検体について
第23回 (2018.10) 日本紅斑熱の診断について
第22回 (2018.10) 抗菌薬と相互作用~吸収 キレート形成を中心に~
第21回 (2018.8) 熱がある!熱中症と感染症
第20回 (2018.7) 抗菌薬投与中の小児の発疹
第19回 (2018.7) 介護施設での感染症診療
第18回 (2018.6) 抗菌薬販売量モニタリングの都道府県別データ公開
第17回 (2018.5) 感染症診療の病診連携
第16回 (2018.3) 伝家の宝刀となるか(小児抗菌薬適正使用支援加算)
第15回 (2018.1) 抗菌薬使用量モニタリング
第14回 (2017.12) 抗菌薬使用中の注意点:副作用
第13回 (2017.11) 尿路感染症とグラム染色の利用
第12回 (2017.11) こどもの蜂窩織炎と抗菌薬治療のポイント
第11回 (2017.11) 呼吸器感染症とグラム染色の利用
第10回 (2017.11) 感染性腸炎のマネージメント
第9回 (2017.10) 急性咽頭炎のマネージメント
第8回 (2017.9) マクロライドを守ろう
第7回 (2017.9) キノロン系抗菌薬の落とし穴
第6回 (2017.8) アンチバイオグラムって何? どうやって使うの? 何がわかるの?
第5回 (2017.8) 経口第3世代セフェム系抗菌薬の問題点
第4回 (2017.7) こどもの発熱へのアプローチと小児科医会の取り組み
第3回 (2017.7) 静岡県立こども病院の耐性菌被害状況:その1
第2回 (2017.7) 薬剤耐性菌被害とアクションプランについて
第1回 (2017.5) 静岡耐性菌制御チームの紹介
チームメンバー
代表 倉井華子 静岡県立静岡がんセンター 感染症内科部長
荘司貴代 静岡県立こども病院 小児感染症科
田中敏博 静岡厚生病院 小児科
日馬由貴 大阪大学 大学院医学系研究科 感染制御学 医学部附属病院 感染制御部 / 感染症内科
伊藤健太 静岡県立総合病院 臨床検査科
古橋一樹 浜松医科大学第二内科
宮入 烈 浜松医科大学 小児科
神戸宏憲 静岡県立総合病院 薬剤部
更谷和真 静岡市立清水病院 薬剤部
望月敬浩 静岡県立静岡がんセンター 薬剤部
前坂知之 あおば薬局登呂店
堀井利恵 ほりい薬局
後藤幹生 静岡県 健康福祉部 感染症管理センター長
土屋 憲 静岡市立清水病院 感染防止対策室
本康宗信 本康医院 浜松市内科医会